布袋雁葦図鐔 無銘 -Mumei- 12-1617
通常価格:¥88,000
税込
布袋雁葦図鐔
無銘
-Mumei-
縦81.9ミリ 横76.2ミリ 切羽台厚4.8ミリ 重量159グラム
江戸中期 Middle Edo period
附属 桐箱
布袋は七福神の一柱として広く親しまれ、福徳円満や子孫繁栄を象徴する吉祥の題材として刀装具にも数多く取り上げられました。また、雁は季節の移ろいを告げる鳥として和歌や絵画に古くから描かれ、葦や水辺と組み合わせた意匠は秋景を表す代表的な図柄として江戸時代を通じて好まれています。
本作は鉄地丸形の一隅に大きな袋を背負った布袋を高肉彫で配し、その上空には三羽の雁を金色絵で表しています。水辺には葦を赤銅象嵌と金色絵によって配し、銀象嵌による「への字」形の線は、水面に立つさざ波を簡潔に表現したものと考えられます。裏面は布袋を省き、雁、葦、水辺のみを配することで表裏に変化を持たせ、限られた空間に静かな秋の情景を巧みに構成し、笄櫃穴は赤銅で丁寧に埋められ、鉄味は落ち着いた黒褐色を呈し、金・銀・赤銅を効果的に取り入れた色彩の対比も見どころとなっています。人物、風景、吉祥意匠を一枚に巧みに融合した、江戸後期らしい洒脱な趣を備えた作品です。