調布玉川図鐔 無銘(京金工) -Mumei (Kyō-Kinkō)- 12-1600
通常価格:¥165,000
税込
調布玉川図鐔
無銘(京金工)
-Mumei (Kyō-Kinkō)-
縦61.6ミリ 横55.0ミリ 切羽台厚3.75ミリ 重量78.8グラム
江戸中期 Mid Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
京金工とは、京都で活動した装剣金工、または京都系の作風を示す作品に用いられる呼称です。京都では室町時代以来、後藤家をはじめとする装剣金工が活動し、江戸時代には一宮長常や大月派など多くの金工が、それぞれに特色ある刀装具を制作しました。赤銅や四分一、素銅などを用い、高彫、象嵌、色絵を施した作品も多く、なかでも花鳥、人物、故事、名所などを絵画的に表した、繊細で雅趣ある作風が知られています。
調布玉川は、『伊勢物語』や『古今和歌集』をはじめとする古典文学にも詠まれた名所で、多摩川の清流で布を晒す情景を題材とした画題です。清らかな流れに白布をさらし、風になびく様子は古くから歌枕として親しまれ、京金工においても風雅な意匠として好んで取り上げられました。
本作は赤銅石目地を用い、表には柳が枝を垂れる玉川のほとりで布を晒す女性を、裏には風を受けてたなびく白布を高彫色絵で巧みに表し、表裏を通して一つの情景を完成させています。流水には繊細な毛彫が施され、金・銀・赤銅を効果的に用いた色絵と縄目耳が作品全体に上品な華やかさを添えています。茎穴は古調をよく残した自然な姿を見せ、切羽台の肉置きにも落ち着きがあり、全体の品格ある彫技とあわせて江戸中期頃の京金工らしい特色がうかがえる、古典的な画題と優れた彫金技術を兼ね備えた京金工の優品です。