澤瀉茗荷透鐔 無銘 -Mumei- 12-1599
通常価格:¥88,000
税込
澤瀉茗荷透鐔
無銘
-Mumei-
縦80.8ミリ 横79.9ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量83.3グラム
江戸前期 Early Edo period
附属 桐箱
澤瀉は古くから武家に好まれた吉祥文様で、「勝草」の字を当てて武運長久や立身出世を願う意匠として用いられました。茗荷もまた家紋や刀装具の文様として広く親しまれ、子孫繁栄や家運隆盛を象徴する吉祥文様として知られています。これらを左右対称に組み合わせた透鐔は、桃山時代から江戸前期にかけて発展した古透鐔の流れを受け継ぐ意匠であり、簡潔な構成の中に端正な美しさを表現しています。
鉄地を丸形に仕立て、上下に澤瀉、左右に茗荷を大きく透かした構図とし、細身の丸耳が全体を引き締めています。無駄な装飾を排した均整の取れた意匠には古透鐔らしい端正な趣が漂い、素直な鉄味も落ち着いた風格を備えています。茎穴の姿は古調をよく残し、耳の仕立てや肉置き、透かしの構成にも江戸前期の特徴が認められることから、本作は江戸前期の制作とみるのが妥当でしょう。華美さではなく、洗練された造形と均衡の美しさによって古透鐔本来の魅力を今に伝える好ましい一枚です。