農耕図鐔 無銘 -Mumei- 12-1598
通常価格:¥66,000
税込
農耕図鐔
無銘
-Mumei-
縦76.0ミリ 横70.45ミリ 切羽台厚4.0ミリ 重量109.0グラム
江戸前期~中期 Early to Mid Edo period
附属 桐箱
江戸時代には農村の四季折々の営みが絵画や工芸の題材として数多く取り上げられ、豊かな実りや平穏な暮らしを象徴する吉祥の画題として親しまれました。刀装具においても農耕や漁労など人々の日常を描いた作品は少なくなく、武家社会にありながらも自然と共に生きる人々の姿を温かな眼差しで表現しています。
鉄地を木瓜形に仕立て、表には天秤棒を担ぐ人物と畦道で語らう二人を配し、その周囲には飛び交う雀や田畑の風景を巧みな彫りと色絵と象嵌で表しています。裏には畦道に腰を下ろして縄を手にする人物を据え、張られた縄や飛ぶ雀を添えることで、農村の穏やかな一日の情景を表裏一体の構成で描き上げています。
人物の仕草には素朴な味わいがあり、簡潔な表現ながら見る者に物語を感じさせる作品となっています。
茎穴周囲には幾度も刀に合わせて仕立て直された痕跡が残り、長年にわたり実用されたことが窺えます。穏やかな画題と素朴な意匠が魅力の一枚です。