笹に釣瓶図鐔 無銘 -Mumei- 12-1586
通常価格:¥132,000
税込
笹に釣瓶図鐔
無銘
-Mumei-
縦80.3ミリ 横75.7ミリ 切羽台厚5.0ミリ 重量169グラム
江戸中期 Edo period
附属 桐箱
釣瓶は井戸から水を汲み上げる桶であり、古くから人々の生活に欠かせない道具でした。また、笹は常緑で生命力が強く、古来より吉祥の植物として親しまれ、茶道具や工芸意匠にも数多く取り入れられています。これら日常の風景や身近な器物を意匠化することは、江戸時代の刀装具にしばしば見られる特色の一つです。
本作は鉄地に銀の縄目覆輪を施し、簡潔な構図の中に笹と釣瓶を配した趣深い一作です。表には金象嵌による笹葉を配し、釣瓶の桶を赤銅高彫で表現、桶の鋲には金象嵌、吊縄には銀象嵌を施すなど、小品ながら異なる金工技法を巧みに組み合わせています。裏面では赤銅と金象嵌による笹葉を添え、表裏で変化を持たせた意匠となっています。
鉄味は極めて良好で、黒味を帯びた地鉄には落ち着いた風格があり、銀覆輪も全体を引き締めています。華美に走ることなく、素材の美しさと控えめな象嵌によって品格を表現した、実用鐔らしい味わいを備えた作品です。