雨中柴刈帰路図鐔 無銘 -Mumei- 12-1573
通常価格:¥132,000
税込
雨中柴刈帰路図鐔
無銘
-Mumei-
縦78.4ミリ 横74.2ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量140グラム
江戸前期~中期 Early to Mid Edo period
附属 桐箱
江戸時代の刀装具には、武者や故事人物だけでなく、農村や山村に暮らす人々の日常を題材とした風俗図も数多く制作されました。山仕事や柴刈に従事する人物は、自然とともに生きる人々の営みを象徴する画題として親しまれ、質素な暮らしの中にある情趣や四季の移ろいを表現する意匠として好まれています。
本作は鉄地丸形の鐔に、山仕事を終えて帰路につく人物を表した一枚です。人物はほっかむりを着け、やかんと鎌を手にし、背には籠を負った姿に表され、柴刈を終えて山路を下る情景が生き生きと描かれています。地を斜めに刻む繊細な彫は雨を表したものと考えられ、降り始めた雨を受けて仕事を切り上げ、家路を急ぐ様子を巧みに演出しています。裏には山家を配し、表の人物が帰る先を暗示することで、表裏を通して一つの物語を構成する意匠となっています。
鉄地は鍛えの良さを感じさせる落ち着いた肌合いを備え、永年の使用によって育まれた古色が作品全体に深い味わいを添え、茎孔や切羽台にも古調が認められ、制作は江戸前期から中期頃と考えられる、素朴な山村の営みを詩情豊かに表現した味わい深い作品です。