旅人留守模様図鐔 無銘 -Mumei- 12-1548
通常価格:¥165,000
税込
旅人留守模様図鐔
無銘
-Mumei-
縦86.7ミリ 横82.6ミリ 切羽台厚4.1ミリ 重量154.0グラム
江戸中期 Middle Edo period
附属 桐箱
鉄鐔が実用品から美術工芸品へと発展した江戸時代には、人物そのものではなく、その人が残した道具や風景によって情景を表現する意匠が数多く生み出されています。
本作もその趣向によるもので、水辺に脱ぎ置かれた笠と風に揺れる葦によって旅人の姿を想像させる、静かで趣深い画題となっています。
鉄地は鍛えの味に優れ、落ち着いた黒錆が長い歳月を経た鉄ならではの風合いを見せ、表には水辺に生える葦と岸辺に置かれた笠を高肉彫と金象嵌で品良く表し、裏にも水辺と葦が配され、表裏を通して一続きの景色としてまとめられています。
金象嵌は控えめながら効果的に施され、静寂な水辺の情景を美しく引き立て、また、小柄櫃孔には赤銅による埋めが施され、全体の意匠と違和感なく調和しています。
鉄味、彫口ともに質が高く、江戸中期の町彫らしい洗練された美意識が感じられる優れた作品です。