雁透鐔 無銘 -Mumei- 12-1523
通常価格:¥132,000
税込
雁透鐔
無銘
-Mumei-
縦72.9ミリ 横72.5ミリ 切羽台厚3.9ミリ 重量107.5グラム
江戸前期 The early Edo period
附属 桐箱
宣徳(真鍮)地を用いた無銘の鐔で、円形の地板に最小限の透彫のみを施した簡潔な意匠に特色があります。宣徳は銅・亜鉛などを主体とする合金で、江戸時代には鐔や小柄、笄など刀装具の素材として広く用いられ、落ち着いた黄金色の地色と加工のしやすさを生かし、彫刻や毛彫を主体とした作品が数多く製作されました。
本作は、切羽台を中心として地板全面に極めて細かな放射状の毛彫を密に刻み、その繊細な線が光を受けることで美しい陰影を生み出しています。意匠は二羽の雁のみを透彫で表した簡潔な構成ながら、広く残した余白と放射状の毛彫とが相まって、静かな空を飛ぶ雁の情景を巧みに表現しており、華美な装飾を用いることなく彫技のみで見応えを生み出しています。時代を経た宣徳地は深みのある古色を帯び、縁には自然な摩耗や小傷が見られるものの保存状態は良好で、実用性と鑑賞性を兼ね備えた味わい深い一枚です。