雛人形図大小縁金具 知近(花押) -Tomochika- 14-285
通常価格:¥132,000
税込
雛人形図大小縁金具
知近(花押)
-Tomochika-
(大)縁金具の縦38.6ミリ 縁金具の高さ14.3ミリ 重さ29.6グラム
(小)縁金具の縦38.1ミリ 縁金具の高さ14.4ミリ 重さ28.3グラム
江戸末期 The last years of Edo era
附属 桐箱
知近は幕末に江戸に住した金工で、号を雲竜斎と称しました。野原氏。通称を伝三郎といい、大森英秀門人の秀知の実子で、父に学び、作品には大森の流名を苗字として名乗っています。大森派の伝統を受け継いだ繊細な鏨遣いと格調高い作風を特徴とし、幕末を代表する優れた金工の一人です。
本作は、きめ細かく均一に打たれた赤銅魚子地に、一対の愛らしい雛人形を高肉彫で表した大小揃いの縁金具です。衣装に施された精緻な文様や穏やかな表情、細部まで行き届いた鏨遣いには知近ならではの優れた技量が遺憾なく発揮され、華やかさの中にも気品ある趣を漂わせています。
一方、大刀用縁金具の雛人形周辺には、鑿で金を剥離しようとした痕跡が認められます。これは明治維新や戦時中など、貴金属が貴重な資源となった時代に生じたものと考えられ、美術品としては惜しまれる点ではあるものの、本作が歩んできた歴史を今に伝える痕跡としても興味深いものです。
幸いにも雛人形の造形そのものは良好な状態を保っており、熟練した現代金工の手によって違和感なく修復・復元することも十分可能かと思われますので、修復をご希望の際はお気軽にご相談ください。現状のままでも時代の変遷を物語る資料性を備え、修復によってさらに鑑賞価値を高めることのできる、希少な大小揃いの優品です。