月下蝙蝠図鐔 無銘 -Mumei- 12-1507
通常価格:¥165,000
税込
月下蝙蝠図鐔
無銘
-Mumei-
縦71.45ミリ 横64.1ミリ 切羽台厚4.45ミリ 重さ105.9グラム
江戸末期 The last years of Edo era
附属 桐箱
本作は月下を飛ぶ蝙蝠を題材とした趣深い赤銅地鐔で、赤銅地を円形に仕立てて全面に細かな槌目地を施し、雲間より姿を現す満月を大胆な透彫によって表すとともに、その前面に湧き立つ瑞雲を高肉彫で力強く配しており、月輪の一部を雲によって隠す構図が夜空の奥行きと静寂な趣を巧みに表現しています。
さらに右下には蝙蝠を金色絵によって配し、黒味を帯びた赤銅地との美しい対比によって画面に華やかさを添えており、蝙蝠は中国において「福」と同音であることから古来吉祥文様として尊ばれ、日本の刀装具においても招福や長寿を象徴する意匠として広く親しまれてきました。
瑞雲の彫刻は鋭さを備えながらも柔らかな曲線を描き、細やかな槌目地との調和によって豊かな立体感を生み出しており、月輪を透かしとすることで静寂な夜空を表しながら飛翔する蝙蝠によって画面に動きを与えるなど、限られた空間の中に優れた構成力と洗練された意匠感覚が示され、月・雲・蝙蝠という吉祥性豊かな題材を見事にまとめ上げた見所の多い優品です。