月に雁図鐔 味墨 -Miboku- 12-1506
通常価格:¥77,000
税込
月に雁図鐔
味墨
-Miboku-
縦86.8ミリ 横79.1ミリ 切羽台厚4.0ミリ 重さ151.0グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 桐箱
本作は月に雁を題材とした大型の鉄鐔で、木瓜形に仕立てた鉄地には時代を経た深い味わいが備わり、耳には素朴な槌目風の趣を残しながらも全体に落ち着いた風格を湛えています。
表には昇りゆく月を背景として二羽の雁が飛翔する姿を高肉彫で表し、眼や嘴に施された金が静かな鉄地の中にさりげない華やぎを添え、裏には風に揺れる葦を金象嵌によって簡潔に表すことで、水辺から飛び立った雁が月夜の空を渡る情景を巧みに描き出しており、わずかな要素のみで広大な空間と秋夜の静寂を感じさせる構成には優れた意匠感覚が窺えます。
また、過度な装飾に頼ることなく鉄地そのものの魅力を活かした作域にも見所があり、鍛え肌の表情と力強い肉彫とが調和し、月と雁という古くから親しまれてきた画題を格調高くまとめ上げているところに本作の魅力が存分に示されており、大振りで重量感に富む姿も相まって存在感は極めて大きく、時代鉄の味わいと詩趣豊かな意匠とを兼ね備えた見所の多い作品です。