波図鐔 無銘(古金工) -Mumei (Ko-kinko)- 12-1503
通常価格:¥132,000
税込
波図鐔
無銘(古金工)
-Mumei (Ko-kinko)-
縦67.2ミリ 横59.75ミリ 切羽台厚4.0ミリ 重さ97.4グラム
室町末期 The last years of Muromachi period
附属 日本刀装具研究会鑑定書、桐箱
古金工は室町末期から桃山時代にかけて活躍した刀装金工の総称であり、特定の流派名に属さない古作鐔を指します。実用性を重視しながらも優れた意匠感覚を備え、後世の華麗な装飾鐔とは異なる素朴で格調高い美しさを特色としています。
本作は山銅地を木瓜形に仕立て、全面に波文を毛彫で表した古金工の優品です。地板いっぱいに広がる波は単純な反復ではなく、うねりや波頭の変化を巧みに描き分けており、静かな中にも躍動感を感じさせ、耳には同じく山銅にて覆輪が丁寧に掛けられています。
さらに波頭には小さな金粒象嵌が散らされ、飛沫を思わせる効果を生み出しており、金銀を多用する後世の華美な作風とは異なって、ごく控えめな装飾によって波の景趣を引き立てている点に古作らしい品格が窺えます。
山銅地は長い年月を経て深く落ち着いた色合いを呈し、彫刻の陰影を一層際立たせています。厚みのある耳と引き締まった木瓜形の姿も見応えがあり、実用品としての堅牢さと美術工芸品としての趣とを兼ね備えています。
波は絶えることなく続く生命力や繁栄を象徴する吉祥意匠として古くから親しまれてきました。本作は古金工らしい簡潔な表現の中に豊かな情趣を込めた作品であり、古作鐔ならではの鉄味と時代の風格を存分に味わうことのできる作品です。