丸に揚羽蝶紋透鐔 無銘 -Mumei- 12-1497
通常価格:¥88,000
税込
丸に揚羽蝶紋透鐔
無銘
-Mumei-
縦80.4ミリ 横73.5ミリ 切羽台厚5.0ミリ 重さ116.0グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 桐箱
鉄地を丸形に仕立て、揚羽蝶の姿を大胆な透彫によって表した鐔です。画面いっぱいに広がる蝶の姿は極めて印象的で、翅の輪郭や紋様を巧みに透かすことで軽快な美しさと力強い存在感を兼ね備えた構成となっています。
鍛えのよく利いた鉄地には長年の使用によって育まれた落ち着いた古色が現れ、素朴な中にも古作鉄鐔ならではの風格が漂い、翅に穿たれた大小の円孔は揚羽蝶特有の紋様を簡潔かつ効果的に表現したもので、細部を省略しながらも生き生きとした生命感を失わず、優れた図案感覚によってまとめられています。
揚羽蝶は古来武家に好まれた意匠の一つであり、平家の蝶紋を連想させることからも格式ある文様として広く用いられました。本作はそうした伝統的な題材を採り上げながら、装飾過多に陥ることなく透彫そのものの美しさによって見せており、力強い輪郭線と均整の取れた構図が見る者に鮮やかな印象を与えます。
耳際まで無駄なく整理された造形には透鐔としての完成度の高さが窺え、静かな鉄味と相まって古雅な趣を醸し出しています。意匠・構図・鉄味の三拍子が揃った好作であり、江戸期透鐔の魅力を存分に味わうことのできる一枚です。