家紋透鐔 無銘(太刀師) -Mumei(Tachishi)- 12-1491
通常価格:¥220,000
税込
家紋透鐔
無銘(太刀師)
-Mumei(Tachishi)-
縦76.35ミリ 横73.3ミリ 切羽台厚3.55ミリ 重さ100.0グラム
室町後期(天文~永禄頃・1532~1570年頃) The latter period of Muromachi era
附属 特別貴重小道具認定書、桐箱
太刀師鐔は、室町時代に盛行した古様な鐔群の一つで、太刀や打刀の実用を目的として製作された簡潔な作域を特徴としています。特定の流派や作者系譜を示す名称というより、古作鐔の中で素朴な造形と実用性を備えた一群を指す呼称として用いられており、華美な装飾よりも堅実な用を重んじた武家好みの美意識を今に伝えています。
本作は真鍮地丸形の地板に家紋を透かした作で、地面には刃槌による横方向の槌目が施され、その単調になりがちな構成に豊かな景色を与えています。長い年月を経て真鍮地は落ち着いた飴色の古色を帯び、柔らかな光沢と相まって古作ならではの味わい深い風情を醸し出しています。
透かしは簡潔ながら均衡よく配置され、素朴な輪郭の中にも端正な趣が感じられます。丸耳に仕立てられた縁には長年の使用による自然な磨耗が認められ、切羽台周辺にも装着痕や擦れが残されていることから、武士の実用品として伝来したことが窺えます。
装飾性を抑えた簡潔な構成の中には、中世刀装具特有の力強さと質実な美が息づいており、真鍮地の古雅な風合いと相まって太刀師鐔の特色をよく示しています。実用鐔としての堅実な造りと時代を経た風格を備えた一作であり、中世刀装具の魅力を今日に伝える貴重な好資料です。