丸形献上鐔 無銘 -Mumei- 12-1488
通常価格:¥55,000
税込
丸形献上鐔
無銘
-Mumei-
縦69.85ミリ 横65.5ミリ 切羽台厚4.8ミリ 重さ112.1グラム
江戸時代 Edo era
附属 桐箱
素銅地に赤銅の薄板を貼り合わせて製作された献上鐔です。円形の地板に意匠を一切加えず、地金そのものの美しさによって見せる極めて簡潔な作域を示しており、華美な装飾を排した端正な佇まいに格調の高さが感じられます。よく仕立てられた地面は穏やかな古色を帯び、長年の使用によって生じた自然な擦れや細かな景色が静かに刻まれており、飾り気のない構成だからこそ素材そのものの質感と時代を経た風格が際立っています。
素銅地の上に貼られた赤銅板は落ち着いた黒味を呈し、均整の取れた輪郭と相まって静謐な美しさを醸し出しています。耳際まで無駄なく整えられた造形からは実用品としての堅実さが窺え、過度な装飾に頼ることなく品格を表現しようとした当時の美意識を今に伝えています。
献上鐔は格式を重んじる用途に供された刀装具であり、このような無地仕立ての作例には武家好みの質実な美が色濃く表れています。本作もまた、簡潔な意匠の中に地金の魅力と時代の風格を凝縮した一枚であり、古金工鐔ならではの渋い趣を味わうことのできる好資料です。