獅子児落図鐔 無銘(横谷派) -Mumei (Yokoya School)- 12-1477
通常価格:¥396,000
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獅子児落図鐔
無銘(横谷派)
-Mumei (Yokoya School)-
縦70.5ミリ 横67.7ミリ 切羽台厚5.4ミリ 重さ152.8グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
本作は横谷派の手による四分一地の優品です。画題は「獅子児落し」を表したもので、険しい崖上に親獅子、麓に仔獅子を配し、中国故事に基づく勇壮な情景を簡潔かつ格調高く表現しています。
地金には上質な四分一を用い、落ち着いた灰黒色の地色を活かして静謐な空間を構成しています。画面右上には断崖絶壁を鋭い鏨遣いで刻み、その頂には鬣を大きく波打たせた親獅子を毛彫と片切彫によって躍動的に表し、裏に描かれた崖下には二頭の仔獅子を配して、親獅子から谷底へ突き落とされながらも力強く生き抜こうとする姿を描いています。
背景には松や霞を添え、広く残された地面によって奥行きと余白の美を演出し、繊細な片切彫は獅子の毛並みや岩肌の表現に巧みに用いられ、簡潔な構図の中に豊かな情趣を生み出しています。また、厚手に仕立てられた四分一地は重量感があり、柔らかな古色が作品全体に落ち着いた風格を与えています。
獅子児落しは、真に優れた者を育てるために獅子が我が子を谷底へ突き落とすという故事に基づく吉祥的な画題であり、武家社会においては鍛錬や克己の精神を象徴するものとして好まれました。本作は横谷派ならではの洗練された彫技と優美な意匠感覚が見事に調和した、見所の多い優品です。