三羽雁透大小鐔 無銘 -Mumei- 12-1473
通常価格:¥128,040
税込
三羽雁透大小鐔
無銘 -Mumei-
(大)縦78.4ミリ 横72.5ミリ 切羽台厚5.4ミリ 重さ80.2グラム
(小)縦71.4ミリ 横66.6ミリ 切羽台厚5.6ミリ 重さ71.7グラム
江戸時代 Edo era
附属 桐箱
大小鐔は、武士が腰に帯びる大小二本の刀に合わせ、同一の画題や意匠で取り合わせられた一組の鐔です。江戸時代には刀装具全体の統一感が重んじられ、大小揃いの鐔は武士の美意識と格式を示すものとして珍重されました。
本作は、三羽の雁を意匠化して透かし表した鉄地大小鐔です。丸形の鉄地いっぱいに配された三羽の雁は、それぞれ首を巡らせながら円環状に連なり、簡潔な構成の中に巧みな動勢を生み出しています。頭部や嘴、眼などは最小限の彫りによって表現され、余計な装飾を加えることなく、雁の姿を伸びやかに描き出しています。
大小ともに鉄味はよく、肉厚な地鉄を活かした力強い透かしが見られます。雁の姿を主体とする意匠や作域には共通性が認められる一方、構図や細部の処理には差異も見られることから、当初より一組として製作された誂え大小ではなく、後年に同趣の作を取り合わせた時代合わせ大小と考えられます。しかしながら全体の調和は良好で、大小揃いとして違和感なく鑑賞することができます。
雁は古来、季節を告げる瑞鳥として親しまれたほか、群れを成して飛ぶ姿から和合や結束を象徴する吉祥の題材として好まれました。本作はそうした雁の姿を大胆な透かしによって表現した作であり、鉄味の良さと洗練された意匠が調和した、江戸時代刀装具の趣を今に伝える見所豊かな優品です。