正次作 -Masatsugu- 4-355
通常価格:¥385,000
税込
刃長21.2センチ
反り無し
目釘穴2個
元幅20.4ミリ
元重ね7.5ミリ
物打幅19.15ミリ
物打重ね5.45ミリ
裸身重量148グラム
江戸末期慶應頃(1865~) The last years of Edo era
平成26年1月17日 宮城県登録
附属 保存刀剣鑑定書、白鞘、木はばき(共柄)
慶應頃(1865~1868)に出羽で作刀したと伝えられる正次については、現存資料が多い刀工ではなく、詳細な系譜や師伝が明確に整理されている人物ではありません。
出羽国(現在の山形・秋田県周辺)には江戸後期から幕末にかけて在地鍛冶が点在しており、中央の著名工に比べると記録は限られます。慶應期は幕末動乱の時代であり、実用刀の需要が高まった時期でもあるため、地方鍛冶が実戦向けの刀を鍛えた例が各地で見られます。正次もそうした在地工の一人であった可能性が高いと考えられます。
静かに、しかし確かな個性を放つ――
東北新々刀の美意識を体現した、希少なる小烏丸造り短刀。
これまでに見られる東北地方の新々刀には、諸刃造りや本作のような小烏丸造りの作例がしばしば確認されます。本刀もまた、その土地に根付く造形美を色濃く伝える一振。伝統を踏まえながらも、凛とした独創性を宿した作品です。
上半を諸刃仕立てとした小烏丸造りは、見る者に強い印象を与える精悍な姿。鋭利さと気品を兼ね備えたそのフォルムは、単なる短刀の枠を超え、工芸美術品としての存在感を放ちます。
下半には腰樋を掻き、さらに添樋を丈比べのように掻くことで、刀身に流麗なリズムと立体感を演出。光を受けたときの陰影は格別で、静止した鋼に躍動感を与えています。
地鉄は小板目がよく錬れて詰み、細やかな地沸が精美に付く上質な出来。澄み渡る肌合いは、鍛錬の確かさと作者の技量を雄弁に物語ります。
刃文はやや湾れごころを交えた直刃。刃縁に小沸が付き、品格ある冴えを見せます。鋩子は直ぐに先丸く、深く焼き下げて諸刃を成し、造り込みの妙と焼きの妙が見事に融合しています。
端正さの中に潜む力強さ。 小烏造りの中に宿る東北新々刀ならではの個性。鑑賞用としても、蒐集の一振としても、所有する喜びを存分に味わわせてくれる逸品です。
この機会にぜひ、お手元でその精美と迫力をご堪能ください。