山水風景図鐔 長州萩住八道友峻 -Choshu Hagi Yaji Tomotaka- 12-1447
通常価格:¥110,000
税込
縦76.5ミリ 横75.65ミリ 切羽台厚4.8ミリ 重さ143.5グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 日本刀装具研究会鑑定書、桐箱
長州藩は、他藩へ輸出して藩の財源とするために、積極的に鐔造りを奨励し、 その結果、長州は、東の会津に対して西の長州と言われるほど、鐔工とその作品の数が多いところとなりました。 長州鐔の作風は一概に言えないほど多岐に渡っており、特徴的な作風を有する流派はあまりありません。河治・中井・岡本・岡田・金子・中原・藤井・井上・八道といった各家が比較的著名です。
本作の鐔は、重厚な鉄地を用い、格調高い山水風景を余すところなく表現した逸品です。円形の画面いっぱいに幾重にも連なる山々を配し、それらは角を立たせることなく、丸みを帯びた繊細な鏨仕事によって刻まれ、遠景へと次第に霞んでいく様子が見事に表現されています。険しくそそり立つ崖上には老松が配され、峻厳さの中に静かな気韻を湛えています。石造りのアーチ型の橋は画面に奥行きを与え、風景に物語性を添えています。
裏面には舟を操る人物の姿が彫り表され、水辺の静かな営みが表情豊かに描写されています。また、笄櫃穴は単に埋められるのではなく、切羽台の形状を意識して丁寧に形付けられており、実用と美観の両立を重んじた確かな仕事ぶりが窺えます。岩肌には意図的に穿たれた穴が見られ、自然の荒々しさと造形的妙味とが巧みに融合した、見応えある構図となっています。