無銘 -Mumei- 3-931
通常価格:¥99,000
税込
刃長51.8センチ 反り0.85センチ
元幅27.1ミリ 元重ね5.9ミリ
物打幅22.3ミリ 物打重ね4.8ミリ
横手位置幅20.0ミリ 松葉先重ね5.0ミリ
裸身重量425グラム 拵に納めて鞘を払った重量592グラム
江戸前期 The early period of Edo era
昭和56年11月12日 岡山県登録
附属 変塗鞘右京脇指拵、素銅地金着はばき
元先の幅差が程好く開き、中切先を備えた端正な姿。全体の反りは浅めで、いわゆる寛文新刀体配の典型を示しており、静かな緊張感を湛えた造形美が印象的です。無駄を削ぎ落とした実直な姿は、この時代ならではの武用本位の思想を色濃く感じさせます。
現状では錆のため地刃の詳細な働きは判然としませんが、元から先まで直刃が焼かれていることが明瞭にうかがえ、素性の良さを想起させる一振です。再研磨を施すことで、地鉄や刃中の働きが改めて顕在化する可能性を大いに秘めています。
附属の拵は、江戸時代に高崎藩主・松平輝貞(右京大夫)の指導により成立したとされる、極めて特色ある右京拵。柄の木地を敢えて露出させ、そこに彫刻を施すという簡素かつ剛健な意匠は、高崎藩独自の気風を如実に物語っています。全体として相対的にスラリとしたシルエットを成し、加えて鞘の棟方を平に削ぎ落とした造り込みも見どころの一つで、実用本位の思想が色濃く感じられます。
なお現状では、鐔鳴りがあり、柄にがたつき、目釘孔に僅かなずれが見られますが、これは元来附属していた鐔よりも厚い鐔に替えられていることに起因するもので、調整により改善可能な状態です。
希少な右京拵を伴う点は特筆に値し、時代性と藩拵ならではの個性を併せ持つ一振として、蒐集家はもとより、研究資料としても高く評価できる作品と申せましょう。