無銘 - Mumei - 2-1856
通常価格:¥330,000
税込
刃長70.6センチ 反り0.9センチ
元幅30.9ミリ 元重ね6.75ミリ
物打幅25.1ミリ 物打重ね6.0ミリ
横手位置幅22.5ミリ 松葉先重ね5.3ミリ
裸身重量761グラム 拵に納めて鞘を払った重量1122グラム
江戸前期 The early period of Edo era
平成7年5月9日 東京都登録
附属 銀はばき、茶石目蝶貝微細散刻鞘変塗鞘打刀拵
元先の幅差頃好く開いて中切先。表裏に刀樋を掻き通し、地鉄は小板目よく練れて詰み、微細な地景入って地沸付き精美。刃文は匂口明るく、湾れ調子に互ノ目を焼き上げ、匂口深く、刃縁に繊細な砂流を見せ、太く短い足が入り、鋩子は焼きたっぷりと一枚に近く先大丸に返る。
付属の拵は、茶石目地に細やかな蝶貝を蒔いた変わり塗り。落ち着いた色調の中に、光の加減でほのかに煌めく蝶貝が映え、静かな中にも洒脱な趣を湛えています。
鞘の形状は丸みを帯びた刻み鞘で、どことなく隠元豆を思わせる愛嬌ある曲線が印象的。量産品には見られない、遊び心と造形美が感じられる造りです。
鞘を払って構えてみると、手元重心で取り回しが良く、全体のバランスは極めて良好。一刀としての姿・収まりの良さは十分に味わって頂けます。
一方で、現在は柄に少しガタツキが見られ、鐔鳴りも生じています。これは歴代の所有者が好みに応じて鐔を替え、その都度、無理に目釘を打ち込んだことにより、柄の目釘孔が広がったためと考えられます。
観賞用として楽しまれる分には、現状のままでも大きな支障はありません。
なお、登録証には目釘孔二個と記載されていますが、精査したところ、最下段の目釘孔は鉄にて埋められており、実質三個目の痕跡が確認できます。
鑑賞の愉しみと、手を掛ける余地。その双方を併せ持つ、味わい深い一刀です。