濃州住兼久作 - Noshu ju Kanehisa - 2-1858
通常価格:¥550,000
税込
刃長69.9センチ 反り1.26センチ
元幅29.7ミリ 元重ね7.1ミリ
物打幅23.6ミリ 物打重ね5.4ミリ
横手位置幅22.2ミリ 松葉先重ね5.2ミリ
裸身重量695グラム 拵に納めて鞘を払った重量950グラム
室町後期 The latter period of Muromachi era
平成16年7月20日 東京都登録
附属 保存刀剣鑑定書、素銅地金鍍金はばき、黒蝋塗鞘打刀拵、白鞘 / 継木
元先の幅差は目立って開かず、切先はやや延びごころ。区から上は総体的に反りを浅目としながらも、茎に反りを付けた体配を見せており、室町後期における太刀と刀の併用期を如実に物語る、時代感に富んだ姿です。実戦性と様式美が交錯する過渡期ならではの趣が感じられます。
地鉄は杢目が緻密に練れて詰み、地沸が良く付き、地景入りて精美。刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れを基調とし、大小一組に瓢箪状を成して焼き上げられ、刃中には砂流しかかり、太く力強い足が盛んに入るなど、躍動感に富んだ景色を呈しています。鋩子は乱れ込み火炎がかった趣を見せ、先丸く返るなど、見どころに事欠きません。
附属の拵は柄にガタツキ無く、締まりは良好。実際に鞘を払って構えてみると、手元重心で全体のバランスが良く、扱い易さが直感的に伝わる一振です。鐔鳴りはありますが、実用・鑑賞の双方において大きな減点となるものではありません。
時代の空気を色濃く残す姿と、確かな鍛え・冴えを備え、観ても、手にしても応えてくれる一刀。室町後期刀に魅力を感じる方には、ぜひ手元で味わって頂きたい出来口です。