獅子図小柄 無銘(古金工) -Mumei(Kokinko)- 16-185
通常価格:¥66,000
税込
全長95.5ミリ 幅14.0ミリ 重さ19.7グラム
室町末期~江戸初期 The last years of Muromachi ~ The early years of Edo era
附属 桐箱
本作は、制作年代を室町時代最末期から江戸初期に遡るとみられる、極めて古い小柄です。地金には赤銅を用い、丹念に魚子地を打ち、その上に一匹の獅子を力強く彫り上げています。 長い年月を経る中で、魚子は摩耗により次第に潰れ、磨地のような柔らかな表情へと変化し、獅子に施されていた金や銀の着せも擦れ落ち、下地が現れています。一見すると粗く見えるかもしれませんが、こうした摩耗痕こそが、後世の作では決して得られない長い使用と時代を経た証左であり、本作が制作年代の古い金工の手になることを雄弁に物語っています。 技巧を誇示するのではなく、時を重ねることで生まれた枯淡の味わいが際立つ、非常に古雅で資料性の高い作品と申せるでしょう。