藤原貞行 -Fujiwara Sadayuki- 6-095
通常価格:¥495,000
税込
刃長40.85センチ 反り3.2センチ 茎の長さ43.3センチ
元幅30.6ミリ 元重ね9.2ミリ
物打幅34.5ミリ 物打重ね6.75ミリ 松葉先重ね7.0ミリ
裸身重量803グラム。
江戸前期万治頃(1658~) The early period of Edo era
昭和39年7月16日 福岡県登録
附属 白鞘、銀はばき
平安時代から続く豊後鍛冶は、九州に於いては薩摩に並んで古くから作刀が盛んで、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄え、特に室町期から江戸初期に掛けて最盛を迎えました。
古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから、藤原高田と汎称します。
古来より実用刀としての評価が高い一派で、武用刀として数多の武将に愛用されました。
本作は新刀高田派の名工・貞行による薙刀であり、薙刀としては極めて珍しい片切刃造を成した、注目すべき逸品です。小板目に杢目を交えた地鉄はよく練れ、地沸がついて細やかな地景を伴い、冴え冴えとした精美な地肌を呈します。刃文は匂口明るく、互ノ目を基調に互ノ目丁字や丁字を交えた変化に富む乱れ刃を焼き上げ、刃中には足・葉が盛んに入って砂流かかり、見る者を飽きさせません。鋩子は緩やかに乱れ込み、先丸く返っており、全体に古雅な趣を漂わせる出来口です。
特筆すべき鍛錬疵は見当たらず、出来の良さと作域の珍しさを兼ね備えた貴重な一振と言えましょう。余力のある方には、ぜひ然るべき研磨を施し、特別保存刀剣鑑定の受審をお勧めいたします。
なお、製作年代は江戸前期と見做されますが、古刀期にも藤原姓を銘切る同名鍛冶が存在する点は、鑑賞上の興味を一層深める要素となっています。