備州長船祐定 天正二年八月日- Bishu Osafune Sukesada - 2-1845
通常価格:¥1,100,000
税込
刃長70.04センチ 反り1.71センチ
元幅30.4ミリ 元重ね6.4ミリ
物打幅24.1ミリ 物打重ね5.1ミリ
横手位置幅21.2ミリ 松葉先重ね5.0ミリ
裸身重量735グラム 拵に納めて鞘を払った重量1,078グラム
室町後期天正二年(1574) The latter period of Muromachi era
平成18年6月13日 大阪府登録
附属 保存刀剣鑑定書、銀はばき、腰茶石目黒石目塗鞘打刀拵、白鞘、 継木
末備前物と称される室町末期の刀工中、祐定銘の作刀は多く、中でも与三左衛門尉、源兵衛尉、彦兵衛尉が有名です。 刀剣の需要が多く求められた戦国期、備前刀は数多の戦に向けて数多く鍛えられ、そうした実用刀で俗名を銘切っていない末備前物を、数打と卑下する悪習が刀剣界にはありますが、粗製乱造されたわけではなく、俗名を銘切っていない作品の中にも、驚く程出来が良い作品が多々見受けられ、中には俗名個銘極めまで可能な出来優れた作も見られます。
この刀は杢目肌が柾に流れ、淡く映り立った地鉄に互ノ目を焼いた末備前らしい出来口を示す本刀は、大阪の旧家から出たうぶ出し品で、薄っすらと錆に包まれていた状態のものを、当店にて上研磨、白鞘、銀はばき、銀切羽、拵の補修、保存刀剣審査等、全ての諸工作を行いました。それらコストの関係もあって、割高に感じられるかもしれませんが、同じ諸工作を個人で行いますと、ゆうに40万円を越えますので、それらを考えますと大変お買い得です。一切手をかける必要がない真面目な年紀入り祐定を、是非この機会に御入手下さい。
附属の拵は、大東亜戦争当時、家伝の祐定を軍刀として携行したことに由来し、柄頭付近には実用を目的とした猿手鐶が取り付けられています。単なる後補ではなく、時代の要請と所有者の覚悟を今に伝える、歴史的背景を備えた拵といえるでしょう。
野戦用の革覆は当店にて丁寧に取り外し、傷みの見られた箇所はすべて国産本漆を用いて入念に補修済み。往時の趣を損なうことなく、美観と保存性の両立を図っております。
また、本刀の研磨は、日本美術刀剣保存協会主催のコンクールにおいて特賞受賞歴を誇る名手による上研磨が施されており、地刃の冴え、姿の美しさはいずれも一級品です。
歴史に裏打ちされた来歴と、確かな技術によって整えられた一振を、ぜひこの機会にご堪能ください。