無銘- Mumei- 6-082
通常価格:¥330,000
税込
刃長60.1センチ 茎の長さ44.9センチ
元幅20.8ミリ 元重ね8.6ミリ
物打幅21.4ミリ 物打重ね7.4ミリ
螻蛄首八角形 螻蛄首下から刃区までの長さ95.0ミリ
螻蛄首元幅18.6ミリ 螻蛄首元重ね14.7ミリ
裸身重量651グラム。
室町前期~中期 The early ~ middle period of Muromachi era
平成30年10月4日 岐阜県登録
附属 白鞘、木はばき
堂々たる威容を誇る平三角造の大身槍。螻蛄首は長く、さらに螻蛄首から刃区に至るまでの造り込みが伸びやかで、室町前期から中期に鍛えられた古雅の風情を色濃く湛えています。
平面に施された樋は、鑿で彫り込むことにより刻まれる、いわゆる「百足樋」。その荒々しい意匠は、実戦に供された槍ならではの、力強さと緊張感を見事に伝えています。
実用武器として鍛えられたゆえ、地鉄や刃文には叢が見られるものの、これこそが実戦期槍の醍醐味であり、資料的価値の高さを裏付ける要素といえるでしょう。細身で引き締まった総体の造り込みは品格を漂わせ、地鉄は杢目が柾に流れて元には白気映りが現れ、刃文も刃中の働きが盛んで、時代の息吹をそのまま伝える古雅な趣がたまりません。
裏の百足樋には赤漆が掛けられ、これは樋内部の磨きを省略し納期を優先した、実戦具特有の合理的な工法で、戦乱の世の空気が如実に感じ取れます。
古研ぎのため所々に小錆はあるものの、地刃の鑑賞には全く支障なく、古い時代の大身槍の魅力を存分に味わえる一本。 歴史を物語る資料性も極めて高く、余力のある方にはぜひ再研磨をご検討いただき、後世へと大切に受け継いでいただきたい名槍です。