長府住清俊作 安政六年八月日- Chofu ju Kiyotoshi- 6-081
通常価格:¥330,000
税込
刃長37.1センチ 反り2.2センチ
元幅25.9ミリ 元重ね7.7ミリ
物打幅28.9ミリ 物打重ね6.5ミリ
松葉先重ね7.0ミリ
裸身重量456グラム。
江戸後期安政六年(1859) The latter period of Edo era
昭和45年6月18日 福岡県登録
附属 白鞘、素銅地銀着はばき
手元資料乏しく、清俊についての詳細情報は解りかねますが、長州の刀工であること、清の字を冠することから、二王派の刀工と推測されます。
柾目の強くよく練れた地鉄には、直映りが端然と立ち上がり、明るい匂口を備えた直刃が静かな中にも確かな存在感を示します。刃縁には細かな働きが随所に宿り、一部には小さな湯走りや食い違い風の刃も交えて、ひと目には単調の直刃に見えつつ、観るほどに多彩な表情を見せる、実に出来の良い薙刀です。
古研ぎの状態ではありますが、地刃はいずれも健全で、現状のままでも十分に鑑賞をお楽しみいただけます。しかし、その優れた出来ゆえに、上研磨を施すことで、さらに明瞭に浮かび上がる地刃の完成度を味わいたくなる、伸びしろを秘めた一口でもあります。
そして本薙刀最大の評価点は、何より今なお輝きを保つ茎の保存状態にあります。樫柄に用いられるタンニン成分の影響で腐食しやすい槍・薙刀の茎において、本作はまさに「茎千両」と称すべき奇跡的な健全さを誇ります。付属する銀着はばきも伝来の確かさを伝え、品位ある佇まいを一層引き立てています。 戦場の実用と武家の美意識、その双方を映し出す逸品。薙刀の真価を味わいたい方にこそ、ぜひお手元に置いていただきたい一振です。