鼠大名行列図二所 無銘(水戸) -Mumei(Mito)- 16-183
通常価格:¥242,000
税込
小柄 全長98.7ミリ 幅14.3ミリ 重さ36.3グラム
笄 全長21.35センチ 幅12.9ミリ 重さ41.0グラム
江戸時代 The Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
水戸は、徳川御三家の一つで三十五万石を誇る城下町であり、特に江戸時代後期には多くの金工が活躍しました。様々な地金を駆使し、巧妙な手法で生み出された作品が数多く残されています。流派としては赤城軒系と一柳系が目立ち、いずれも高い技術を誇ります。
素銅地に鼠の大名行列図を巧みな彫金技法で表した小柄・笄の二所物です。「鼠の大名行列」とは、江戸時代の庶民文化に根ざす風俗画・戯画的題材で、繁栄と吉運を象徴する鼠が、人間さながらに大名行列を行う様子を描いたユーモラスかつ吉祥性豊かな意匠として親しまれてきました。繁殖力の強い鼠は家運隆盛や財運繁栄を象徴し、その小さき存在が格式高い大名行列を演じることにより、滑稽味の中に風雅と風刺が交差する独特の世界を生み出しています。
本作においても、行列に興じる鼠たちが細部に至るまで生きいきと彫り上げられ、特に小柄は裏から表へと行列が続いており、水戸金工師職人の洒落味と遊び心が遺憾なく発揮されています。繁栄を願う吉祥性と、繊細な技巧を愉しむ美術性が見事に調和した、手に取るたびに微笑みを誘う逸品です。