繁廣 福壽剱 - Shigehiro Fukujuken - 3-917
通常価格:¥495,000
税込
刃長39.3センチ 反り7.0センチ
元幅29.7ミリ 元重ね6.1ミリ
物打幅26.0ミリ 物打重ね4.5ミリ
横手位置幅23.1ミリ 松葉先重ね4.2ミリ
裸身重量350グラム。 拵に納めて鞘を払った重量564グラム。
江戸後期文化頃(1804~) The latter period of Edo era
令和5年8月8日 京都府登録
附属 銃砲刀剣研究会鑑定書、黒蝋塗鞘脇指拵、素銅地金着二重はばき
手柄山正繁の弟で、加藤主水。初銘は繁直・正照。六代金道の養子。京、肥後熊本、江戸にて打つ。初代。播磨。
本脇指は、元先の幅差が目立たず、すらりと中切先が延びた端整な姿を備えています。地鉄はよく錬れた杢目が細かく詰み、地沸がしっとりと付く精美な肌合い。静かに眺めていても、鉄の呼吸が伝わってくるような上質な地鉄です。刃文は匂口明るく冴え、濤瀾風の乱れを基調としながらも、助廣らの濤瀾とは一線を画した、斜角を強めた独特の濤瀾を焼き上げています。波頭が勢いよく砕けるように、飛焼が平地から鎬地にまで飛び、匂口がぐっと締まる箇所と、大粒の沸がふわりと広がる箇所が交互に現れることで、まるで打ち寄せる波の飛沫をそのまま刀身に映し取ったかのような、実に趣深い景色を描き出しており、鋩子は直ぐに先丸く、長く焼き下げています。
京都からのうぶ品のため一部に錆は見られますが、しっかりとした研磨を施せば見違えるほどの美観を取り戻す器量があり、特別保存刀剣鑑定にも難なく合格するであろう出来口を備えた非常に優れた一振です。
附属の拵は小柄こそ欠失しておりますが、切羽のすり替えが一切見られない“完全なうぶの状態”で残っている点は極めて貴重です。はばき・切羽に施された金も純度が高いようで、一般的なものより重みがあり、発色も上質。縁頭の意匠に合わせ、秋草図の小柄を添えていただくことで拵全体の調和もさらに整います。ぜひ拵にも鑑定書を付け、末永くご愛蔵いただきたい逸品です。