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鉄線唐草図鐔 無銘(平戸) -Mumei(Hirado)- 12-516

通常価格:¥385,000 税込
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鉄線唐草図鐔
無銘(平戸)
-Mumei(Hirado)-

縦69.2ミリ 横67.8ミリ 切羽台厚4.2ミリ 重量93グラム
江戸中期~後期 The middle to latter period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱


平戸金工は肥前国平戸において展開した刀装金工で、その代表的な存在として知られる国重は江戸中期の享保頃を中心に活躍したと考えられ、真鍮、素銅、四分一などの色金を用いた作品や、龍、唐草、異国風の文字などを取り入れた個性的な作を遺しています。江戸時代の平戸は海外との交流を通じて異国文化に接する機会の多い土地であり、国重の作にも南蛮趣味を窺わせる意匠が知られるなど、平戸ではその土地柄を映した特色ある刀装金工が展開しました。

本作は無銘ながら「平戸」と極められ、保存刀装具鑑定書が交付された一枚で、まず目を惹くのが外側を構成する温かみのある素銅地と、その内側に配された黒々と色味の良い赤銅地という二種の色金が生み出す鮮やかな対照であり、異なる地金そのものの色彩を巧みに意匠へ取り込むことで、69.2ミリという寸法の中に強い存在感と洒落味を生み出しています。

内側の赤銅地には唐草を細やかに巡らせ、その蔓の間には鉄線花を四方に配しており、伸びやかな唐草と端正に咲く鉄線花とが一体となって切羽台を取り囲むように展開する構成は実に優美で、深い黒味を呈する赤銅地の上に細密な文様が鮮やかに浮かび上がり、鉄線花には金を効果的に用いることで、素銅の柔らかな赤味、赤銅の艶やかな黒、金の輝きが互いを引き立て合う、色金ならではの美しい景色を作り上げています。

とりわけ本作の見所は、唐草と鉄線花による繊細な文様表現のみならず、それを包み込む外側の素銅地までを一つの意匠として成立させた大胆な地金構成にあり、四方へ柔らかく張り出した素銅地が中央の赤銅地を額縁のように引き立て、温かな素銅色と黒々とした赤銅色との明快な対比によって、細密な花唐草の美しさを一層際立たせています

鉄線は細い蔓を伸ばして優美な花を咲かせる植物で、その姿は唐草の流麗な曲線ともよく調和し、本作では鉄線花を四方に配することで鐔全体に均整を与えながら、その間を唐草が伸びやかに繋ぐことによって、規則性の中にも柔らかな動きを感じさせる画面へとまとめられており、赤銅と素銅という二種の地金を大胆に用いながら決して華美に流れず、むしろ素材の色味と文様の端正さによって品格を生み出したところに、作者の優れた意匠感覚が窺えます。

本作には無銘ながら「平戸」と極められた保存刀装具鑑定書が附属しており、素銅と赤銅を組み合わせた印象的な造込、黒々とした赤銅地を舞台として展開する優美な唐草と鉄線花、そこへ添えられた金の輝きが見事な調和を見せ、細部を眺める楽しさと一目で印象に残る色彩美を併せ持っています。拵に掛ければ素銅と赤銅の鮮やかな対照が刀装全体へ格別の華やぎを添えることは請け合いであり、平戸金工の特色ある色金使いと優れた意匠感覚を存分に楽しむことのできる、蒐集にも拵の制作にもお勧めしたい魅力深い一枚です。
寸法縦69.2ミリ 横67.8ミリ 切羽台厚4.2ミリ
時代江戸中期~後期 The middle to latter period of Edo era
鑑定書保存刀装具鑑定書
付属桐箱
重量重量93グラム

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