能楽図縁頭 一乗斎弘寿(花押) -Ichijosai Koju- 14-182
通常価格:¥440,000
税込
縁長40.0ミリ 縁腰高14.7ミリ 頭長35.3ミリ 重さ53.0g
江戸時代 The Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
打越弘寿は水戸で生まれ、名を文七、後に円蔵と名乗り、同地で有力な金工矢田部通寿の系統を継ぐ玉川吉長に師事。江戸にも赴いて奈良派の浜野一門に学んだとも伝えられており、郷里の水戸や江戸神田に於いて緻密で量感のある優れた作品を制作し、門人も多く養成して活躍しました。
この縁頭は、気品ある色味の赤銅に細やかな魚子を丹念に打ち込み、その上に能楽師が舞を披露する姿を、まるで息づかいまで伝わるかのように巧緻な彫技で表した逸品です。
能面の陰影、衣紋の流れ、舞の緩急までも映し出すような彫り口には、卓越した職工の力量が明確に示されており、観る者を静謐な雅の世界へと誘います。
鑑賞用としては勿論、拵に添えても格を一段と高める、まさに縁頭の名品です。