散笠図小柄 無銘 -Mumei- 16-132
通常価格:¥132,000
税込
全長96.05ミリ 幅14.4ミリ 重さ24.5グラム
江戸前期 The early period of Edo era
附属 桐箱
深く艶やかな赤銅を素地とし、幾星霜という途方もない年月を経て生み出された、極めて時代感溢れる味わい深い小柄です。
意匠には、大小の笠が風に舞うように、あるいは道中の風情を示すように散らして描き出されています。幾重にも重なる笠の立体的な造形や、紐の柔らかな結び目に至るまで、金工の確かな技量が見て取れ、笠に施された金と銀の色絵が深い赤銅の黒によく映え、静かな画面の中に確かな華やぎを添えています。
本作の最も特筆すべき見どころは、完全に擦れ落ちて無地のように変化した地金の風合いにあります。かつては一面に細密な魚子が打たれていたはずの空間が、長きにわたる武士たちの佩用によってしっとりと滑らかな肌合いへと姿を変えています。
作られたばかりの品には決して纏うことのできない歴史の重みと、古い装具の真骨頂である寂びた情趣を直に感じることができる古雅なる名品です。