西国落図小柄 無銘 -Mumei- 16-146
通常価格:¥66,000
税込
全長96.5ミリ 幅14.15ミリ 重さ19.1グラム
江戸 The Edo era
附属 桐箱
意匠には、波間に浮かぶ舟に同乗する平安貴族の男女と童の姿が描かれています。特筆すべきは舟を操る人物であり、十二単を思わせる豪奢な装束を身に纏った女性が棹を差しています。この風雅でありながらも特異な構図や、遠くに陸地を望む海辺の情景から、幼き安徳天皇を奉じて都を逃れ、海路にて西国へと落ち延びてゆく平家一門の姿を描いたものと推測されます。
栄華を極めた一族の儚い運命と、穏やかな水面を進む一行の静謐な姿が、金工の細やかな鏨運びによって情緒豊かに表現されています。長い時を経た素銅特有の渋みのある色合いが、歴史絵巻を切り取ったかのような図と見事に調和し、見る者の想像力を深く掻き立てる見応えのある優品です。