蟹図小柄(穂先付) 無銘 -Mumei- 16-077
蟹図小柄(穂先付)
無銘 -Mumei-
全長222.5ミリ 小柄部分の全長97.3ミリ 幅14.5ミリ 重さ46.0グラム(穂先含)
江戸時代 The Edo era
附属 桐箱
赤銅を素地とし、その一面に魚子を打ち施し、一匹の蟹の姿が描き出されています。
蟹は頑強な甲羅を持つことから武士の鎧兜に重ね合わされ、またそのはさみで運を掴んで離さないとされることから、武門において大変縁起の良い画題として好まれました。
漆黒の空間に金色絵が施された蟹が浮かび上がって見えます。
本作の特筆すべき点は、明治期に至ってから素銅の穂先が新たに据えられ、書状切りや紙刀、あるいは卓上で用いる小刀として転用された歴史を持つことです。
廃刀令を経て武具としての役目を終えながらも、その細工の美しさと縁起の良さゆえに、新たな時代においても人々の生活に寄り添い大切に愛用され続けた軌跡が刻まれています。時代のうねりを静かに物語る、資料的価値も高い味わい深い優品です。