海老図小柄(石次良穂先付州) 無銘 -Mumei- 16-079
海老図小柄(石次良穂先付州)
無銘 -Mumei-
全長215.3ミリ 小柄の全長98.4ミリ 幅13.75ミリ 重さ35.2グラム(穂先含)
江戸時代 The Edo era
附属 桐箱
堅牢で深い味わいを持つ鉄を素地とし、小柄の尻を丸く仕立てた独特の造り込みが目を惹く趣深い作品で、腰が曲がるまで健やかにという長寿の願いが込められた吉祥の図である海老が描き出されています。
特筆すべきは、小柄の丸みを帯びた尻の形状に呼応するように、漆黒の赤銅で象られた海老が尻尾をくるりと丸めた姿で配されている点です。限られた空間の造形と図柄を完璧に調和させる金工の並々ならぬ図案構成力と、洒落た遊び心が見事に表現されています。深く落ち着いた鉄の地肌に赤銅の海老が静かに浮かび上がり、素朴さの中に凛とした品格を漂わせています。武具としての重厚感と、見る者の心を和ませる愛嬌が同居した、持ち主の末永い繁栄と長寿を願う装具として極めて秀逸な一品です。