平根矢図小柄(越州三國澤原作穂先付) 無銘 -Mumei- 16-089
通常価格:¥77,000
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平根矢図小柄(越州三國澤原作穂先付)
無銘 -Mumei-
全長219.9ミリ 小柄の全長95.9ミリ 幅14.1ミリ 重さ44.0グラム(穂先含)
江戸時代 The Edo era
附属 桐箱
赤銅を素地とし、一面に細密な魚子を打ち施した上に、一本の矢を力強く彫り上げた時代感溢れる作品です。
意匠に描かれているのは、通常の征矢ではなく、敵将を射るために用いられた大振りの鏃を持つ平根と呼ばれる矢です。平根で討ち取らねば真の軍功とは認められなかったという厳しい戦陣の掟を物語るこの意匠は、武士の誉れと必勝の決意を象徴する極めて力強い画題と言えます。漆黒の整然とした魚子地を背景に、この特別な一本の矢が凛とした存在感を放っています。
さらに特筆すべきは、鏃と矢羽に施された銀の色絵に見られる手擦れの風合いです。長きにわたり幾人もの武士の手によって愛用されてきたことを示すこの摩耗は、本作の製作年代が少なくとも江戸中期を下らないことを物語っており、作られたばかりの品には決して出せない奥深い歴史の息吹を伝えています。実用武具としての凄みと、時代を経た深い品格が見事に融合した名品です。