無銘(三原正信)- Mumei(Mihara Masanobu) - 2-1268
刃長70.5センチ 反り1.32センチ
元幅28.1ミリ 元重ね6.1ミリ
物打幅24.2ミリ 物打重ね5.3ミリ
横手位置幅19.6ミリ 松葉先重ね3.5ミリ
裸身重量600グラム。
南北朝末期~室町初期應永頃 The last years of Nanbokucho ~ early years of Muromachi era
昭和34年7月9日 東京都登録
附属 特別保存刀剣鑑定書、木はばき(共柄)、白鞘
鎌倉初期から大和鍛冶が移住したと言われる備後では、隣地備前の影響を受けず大和伝が踏襲され、備後三原派の祖である正家も大和包永のような出来映えを見せています。
三原派の中でも古三原に分類される三原正信は、南北朝期永徳(1381)から室町初期明徳(1390)に掛けて活躍しました。その正信の子は三原から鞆(とも)に移り、鞆三原の祖となっています。
本作は大磨上でありながら、今なお二尺三寸を超える堂々たる長寸を保っていることが非常に好ましく、元先の幅差が目立って開かない凛とした姿を呈しています。表裏には刀樋が掻き通されており、制作当初から掻かれたこの樋は、古作ゆえに小鎬にまで迫る力強いものです。地鉄は小板目に杢目が交じり、流れごころを帯びて僅かに肌立つ、味わい深い鍛えを見せています。刃文は匂口が明るく、一見すると端正で単調な直刃に映りますが、仔細に鑑賞すればその真価に気づかされます。所々で刃中までしっかりと沸え、微細な湾れを交えるほか、刃肌に絡んで板目や杢目調に沸がつくなど、時代が下がる三原物とは一線を画し、鋩子は直ぐに先丸く返って品格ある結びとなっており、刃中の豊富な働きと古雅な出来口をご堪能いただけます。
現状、本作は共柄の木はばきです。このままでも古作の魅力は十分に伝わりますが、地刃の奥深い働きや長寸の堂々たる体配を鑑みますと、更なる高みを目指せるポテンシャルを秘めております。ぜひ新しい所有者様の手ではばきの新調と仕上げ直しを施していただき、その真の輝きを引き出した上で重要刀剣審査に挑戦なさってみてはいかがでしょうか。将来的な出世が誠に楽しみな、愛刀家冥利に尽きる逸品です。