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竹雀図小柄(六歌仙彫小刀付) 無銘 -Mumei- 16-229

通常価格:¥275,000 税込
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竹雀図小柄(六歌仙彫小刀付)
無銘
-Mumei-

小刀を含めた全長205.1ミリ 小柄の全長95.8ミリ 幅13.9ミリ 小刀を含めた重さ39.8グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 桐箱

竹と雀は日本美術で古くから愛されてきた組み合わせであり、節を重ねて真っ直ぐ伸びる竹は節操と不屈の生命力を、群れ遊ぶ雀は豊かな実りと日々の安寧を象徴することから、身近な自然を通して吉祥を表す画題として絵画や工芸に繰り返し採り上げられてきました。

本品は淡い銀灰色を帯びた地へ、三本の平行線を斜めに走らせ、途中で鋭く折り返す構成を繰り返しています。一見すると幾何学的な線文様だけを配した簡潔な小柄ですが、目を凝らすと線の間へ竹の葉や雀の姿が淡く浮かび、光の加減によって現れては地へ溶け込む、闇蒔絵を思わせる奥ゆかしい景色が仕込まれています。画題を明快に見せ切るのではなく、鑑賞者が自ら竹と雀を探し当てるように構成したところに、控えめでありながら強く印象に残る本品の洒落味があります。

斜行する三条の線は、細長い小柄の画面へ軽快な速度と緊張感を与え、その間へごく浅く表された竹葉と雀が静かな余韻を添えています。離れて眺めれば端正な抽象文様、手元で角度を変えれば竹雀の自然意匠へと表情を変え、装飾を抑えた銀灰色の地金だからこそ、彫りの深浅と光の移ろいを繊細に味わえる仕立てとなっています。罅割れや凹みが見られる点は惜しまれるものの、長く実用された時代小柄としての風合いを保ち、意匠そのものの稀少性と静かな美しさは失われていません。

本品の価値をさらに高めているのが、附属する六歌仙彫の小刀です。六歌仙とは、僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大友黒主の六人を指し、古今和歌集以来、日本の王朝文化と和歌の美を象徴してきました。本小刀では、幅の限られた刀身へ六歌仙の人物、装束、名、和歌を驚くほど細い線で彫り込み、人物の周囲へ文字を整然と収めながら、一幅の歌仙絵巻を思わせる濃密な世界を作り上げています。拡大して初めて見えてくる表情や装束の文様、連綿と続く文字の細かさには目を見張るものがあり、通常は実用を担う小刀へ、ここまで手数を惜しまず彫刻を施した仕事は大きな見どころです。

小柄へ収めた姿では、三条の斜線と闇に沈むような竹雀が静謐な趣を見せ、ひとたび小刀を抜けば、六歌仙と和歌の華麗な世界が姿を現します。外側の抑制と内側の精緻さが鮮やかな対照をなし、一口の中で江戸金工の洒落た感覚と、刀身彫の並外れた細密さを同時に堪能できる、文芸性と工芸性を兼ね備えた鑑賞価値の高い小柄です。
寸法小刀を含めた全長205.1ミリ 小柄の全長95.8ミリ 幅13.9ミリ
時代江戸中期 The middle Edo period
鑑定書―
付属桐箱
重量小刀を含めた重さ39.8グラム

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