兜割 無銘 -Mumei- 11-034
通常価格:¥220,000
税込
刃長30.4センチ 反り3.2センチ 茎の長さ12.9センチ
元幅25.5ミリ 元重ね11.5ミリ
鍵上部元幅13.6ミリ 鍵上部元重ね12.0ミリ
物打幅10.5ミリ 物打重ね10.0ミリ
裸身重量355グラム 拵に納めて鞘を払った重量486グラム
室町時代 The Muromachi era
登録不要
附属 青貝散変塗鞘脇指拵
刀剣とは異なり、兜割りは研究が十分に進んでいない分野であるため、本作の制作年代は幅を持たせて室町時代と表記しておりますが、作風や造り込みからは江戸前期に下る可能性も否定できません。茎の仕立てを仔細に見るに、当初は現在よりも茎反りが深かったものと想像され、江戸時代に入ってから反りを抑え、拵を新たに誂え直したものと推測されます。 通常、兜割りに附属する拵は、その用途が一目で判別できる独特の形状を備えるものですが、本兜割りは外見上、脇指と見紛うほど端正な造りとなっている点が非常に興味深く、当時の所持者の趣向や身分を想像させます。実用具でありながら、周囲に用途を悟らせぬ配慮がなされていた可能性もあり、武具史的にも示唆に富む存在といえるでしょう。 経年による影響で鞘には相応の傷みが見られますが、現存数の極めて少ない兜割りであることを考えれば、本作は資料的価値の高い逸品です。鞘の瓦や塗りの補修を施し、後世へと伝え残していただきたい、まさに保存に値する兜割りと申せます。 なお、拵の状態は、鐔鳴りが認められるものの、柄のがたつきはごく僅かで、全体としての収まりは良好です。
※鞘の補修ご希望の方はお気軽にご相談ください。