扇面鐔 近江守継平-Omi no kami 12-1413
通常価格:¥132,000
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近江守継平は、もと越前下坂派の出であり、「継」の字を冠するその名は四代にわたって継承されました。
いずれの代も主に直刃を得意とし、比較的多くの作を遺しており、中でも二代継平は、八代将軍徳川吉宗の治政下、享保二年に徳川将軍家伝来の蔵刀を写した刀絵図を作成し、これは「継平押形」として広く知られています。
初代継平は藤田与兵衛と号し、『新刀弁疑』(安永八年刊)には、同工は越前の出身で、二代康継の門に入り江戸に出府したと記されている。作刀期は寛文頃。
二代継平は藤田与右衛門と号し、元禄から享保頃の作を遺す。
三代継平は藤田与四郎と号し、宝暦頃の作が見られる。
四代継平もまた藤田与四郎と称し、『古今鍛冶備考』には明和・安永年間の作が多いとある。また、安永年間に著された『新刀弁疑』には、同時代の作として草書銘「継平」在銘の押形が掲載されており、同書中に「今の継平は四代目」との記述が見られる。これは四代継平存命中の記録であり、信憑性が高い。故に草書銘の継平を四代とみなす説が、今日では有力とされています。
この鐔は、刀鍛冶である継平が自ら鍛えた扇面風の刀匠鐔であり、地には見事な板目肌が現れている。鉄の鍛え締まりや地景の働きからも、まさしく刀工自身の手になるものと見て疑いなく、その力量を余すところなく伝える玄人好みの逸品である。