水府住徳宗 嘉永四年二月日 - Suifu ju Norimune - 4-337
通常価格:¥220,000
税込
刃長18.3センチ 反り-0.2(内反り)センチ
元幅20.5ミリ 元重ね5.6ミリ
物打幅17.9ミリ 物打重ね4.2ミリ
横手位置幅17.9ミリ 松葉先重ね4.2ミリ
裸身重量91グラム。 拵に納めて鞘を払った重量122グラム。
江戸後期嘉永四年(1851)
The latter period of Edo era
令和7年2月13日 栃木県登録
附属 素銅はばき、黒蝋塗鞘短刀拵
水府住徳宗。本名・関口幸左衛門。寛政七年(1795)、水戸藩士関口徳政の子として生まれ、初代徳鄰に師事。天保十二年(1841)、烈公に抱えられ水戸藩御用刀工となり、白旗山武器製作所において筆頭を務め、多くの門弟を育成しました。その高弟には、のちに名を馳せる初代勝村徳勝も名を連ねています。明治六年(1873)没。
師徳鄰とは趣を異にし、匂口の締まる備前伝丁子刃を得意とした徳宗ですが、本作は嘉永四年(1851)、徳宗56歳の円熟期に鍛えられた短刀で、如何にも短刀らしい端正な姿を誇り、小板目肌が柾に流れ、地沸よく付いて少しく肌立ち、匂口は明るく冴えて締まりある直刃を焼き上げています。更にフクラには日月を思わせる飛焼風の趣を添え、鋩子は直ぐに丸く長く返るなど、気品と迫力を兼ね備えた出来映えを示した徳宗の真価を今に伝える一振です。
幕末水戸藩工の精華を映す、円熟期ならではの佳品であり、鑑賞・収蔵の両面において大いに魅力を放つ短刀です。
附属の合口短刀拵は、柄に銀の三つ巴紋を嵌め込み研ぎ出した、気品ある意匠が光ります。栗形を付けず、女性の護身具や懐剣として誂えられた仕様で、簡素ながらも凛とした存在感を放っており、華美に走らずとも、三つ巴の紋が静かな威厳を添え、持ち主の格を引き立てる仕立てになっています。