備中國水田住國重 - Bicchu no kuni Mizuta ju Kunishige - 3-905
通常価格:¥396,000
税込
刃長56.7センチ 反り1.1センチ
元幅33.6ミリ 元重ね7.3ミリ
物打幅25.9ミリ 物打重ね6.1ミリ
横手位置幅23.2ミリ 松葉先重ね5.8ミリ
裸身重量659グラム
江戸前期~中期
The early ~ middle period of period of Edo era
昭和30年10月11日 岡山県登録
附属 素銅地金鍍金二重はばき、白鞘(備山鞘書)
國重の工銘で名高い備中国水田鍛冶は、隣国備後尾道より備中松山城主三村家親に招かれた大月三郎左衛門尉国重、或いは毛利元就に抱えられて芸州郡山城下にて打った大月左兵衛尉国重等が、呰部、水田、荏原を発祥の地として戦国期に活躍し、江戸時代に至っては更に沸を強調した大月與五郎(大與五)國重等が出現するなど大いに栄えました。
遺作には時折、相州伝の名工堀川國廣、繁慶等の塁を摩すばかりの力作もみられ、それらの中にはより高名な他作に紛れたものもあったと云われています。
本作の脇指は、身幅広く豪壮で、元先の幅差が頃合いに開き、端正な中切先を備えた堂々たる姿を示しています。腰には二本樋(護摩箸)が掻かれ、力強さとともに精悍な印象を漂わせます。地鉄は小板目がよく練れて詰み、地沸が付いた精美な肌合いを見せ、匂口は明るく冴えて互ノ目を湾れ調子に焼き上げています。
刃縁はよく沸づき、刃中には砂流や細かな足・葉が豊富に働き、いかにも生気に満ちた出来映えです。鋩子は直ぐに先丸く長く焼き下げ、棟焼きを形成し、全体として力感と気迫にあふれる姿を呈しています。
地刃の冴え、力強さ、そして健全さを兼ね備えた本脇指は、特別保存刀剣同時審査を自信を持ってお薦めできる逸品です。真の価値を見出す愛刀家にこそ相応しい一振と申せましょう。