山水風景図鐔 長州萩住友久作Choshu Hagi ju 12-1401
通常価格:¥28,600
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長州藩は、他藩へ輸出して藩の財源とするために、積極的に鐔造りを奨励し、その結果、長州は、東の会津に対して西の長州と言われるほど、鐔工とその作品の数が多いところとなりました。
長州鐔の作風は一概に言えないほど多岐に渡っており、特徴的な作風を有する流派はあまりなく、河治・中井・岡本・岡田・金子・中原・藤井・井上・八道といった各家が比較的著名です。
また、長州鐔には山水図が多く経眼されますが、その源は室町時代の画聖雪舟にあり、周防、長門、筑前、豊前、肥前を領有した守護大名大内氏の庇護により明国で水墨画を学んだ雪舟は、帰国後は山口天花の雲谷庵に落ち着き「山水長巻」をはじめとする傑作を描きました。
その画風は、西国随一の大名毛利輝元から雪舟流の復興を命じられた原治兵衛直治(後の雲谷等顔)に継承され雲谷派として幕末まで続きました。
この鐔は、よく鍛えられた鉄地に、中国画を思わせる山水風景を見事に彫り表しており、雄大な自然と静謐な趣を、一枚の鐔に凝縮したその表現は、まさに幽玄の境地。眺めるほどに新たな情景が浮かび上がり、まるで絵画の世界に誘われるかのようです。
拵に合わせれば、持ち主の品格を一段と引き立て、観賞用としても飽きることのない作品です。