常清(伝 波平) - Tsunekiyo(Den Namihira) - 4-334
通常価格:¥495,000
税込
刃長20.5センチ 反りなしセンチ
元幅21.6ミリ 元重ね7.8ミリ
物打幅17.5ミリ 物打重ね5.6ミリ
横手位置幅17.5ミリ 松葉先重ね5.6ミリ
裸身重量143グラム
室町中期~後期 The middle ~ latter period of Muromachi era
平成27年1月20日 埼玉県登録
附属 保存刀剣鑑定書、素銅地金着岩石はばき、白鞘
平安時代後期、正國なる刀工が大和から薩摩国谷山郡波平の地に来往して波平派の祖となると伝え、その子を行安と言い、以後、その流れは幕末新々刀期に迄及んでいます。
同派の中でも南北朝期を降らぬ刀工及びその作刀を総称して古波平と言い、その作風は大和気質が強く窺えるものであるが、鍛えがねっとりとして軟らか味を帯び、刃文は匂口が潤みごころで、はばき元を焼き落とすなどの諸点に特色があります。
猪股近平六則綱や畠山重忠の佩刀が波平の作であったことが『源平盛衰記』に記されているように、波平の刀は古くから戦場で高い評価を得ていました。
また、荒れた海を鎮めるために波平の太刀を海中に投じたところ、風雨が収まったという伝説があり、舟戦を専らとする武士の波平信仰は近代まで受け継がれており、因島の村上水軍の重宝も鎌倉後期に鍛えられた波平行安でした。
本短刀は、日本美術刀剣保存協会に於いて波平派の常清であろうと極められた一刀です。銘鑑を繙くに、同派には室町中期・応仁頃と室町後期・天文頃の二名の常清が確認されております。
姿は、元先の幅差が頃好く開き、表裏には腰樋と添樋を丈比べにして掻き通すなど、技巧的かつ意欲的な構成を見せます。総体として鋭さを強く意識した造り込みで、短刀ながら緊張感に富んだ体配が印象的です。
地鉄は小板目がよく練れて肌立ち、刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れを焼き上げ、刃中には砂流・金筋・葉といった働きが豊かに現れ、鍛錬と焼刃の確かさが如実にうかがえ、鋩子は複雑に乱れ込んで返り、変化に富んだ締まりある仕上がりを見せています。
水難回避の縁起物としても重宝される波平派のこの一刀は、資料的価値と鑑賞性を併せ持つ短刀として、蒐集・研究の双方において注目すべき一振と申せましょう。