豊前守氏定- Buzen no kami Ujisada - 3-886
通常価格:¥594,000
税込
刃長36.4センチ 反り1.2センチ
元幅33.2ミリ 元重ね8.4ミリ
物打幅30.8ミリ 物打重ね7.6ミリ
横手位置幅30.8ミリ 松葉先重ね7.2ミリ
裸身重量471グラム
江戸中期享保頃(1716~)
The middle period of Edo era
令和5年7月26日 岐阜県登録
附属 特別保存刀剣鑑定書、銀無垢金鍍金はばき、白鞘
氏定は江戸中期の享保頃に尾張で活躍した刀工です。
この脇指は身幅広く、重ね厚く、手持ちずっしりとした剛強な造り込みで、表裏に腰樋を丈比べとし、地鉄は杢目がよく錬れて詰み、地沸ついて地景入り、少しく肌立って精美であり、鍛えの良さを物語っています。刃文は匂口明るく冴えた直刃で、刃縁には盛んに働きが見られ、小足入り、刃中には砂流が幾重にもかかり、小川のせせらぎを見るが如く、鑑る者の眼を飽きさせません。鋩子は直ぐに先丸く上品に返り、氏定の技量の高さを誇示する作品であり、入札鑑定では上工の作と見紛う、まさに天狗の鼻折刀と言えるでしょう。
尾張新刀の脇指には、本刀のように身幅広く重ね厚い造り込みの作品が多々見られ、これは尾張徳川家またはその家中の士達が、質実剛健たる脇指を求める傾向にあったからと推測されます。
本刀を手に取ると、地刃共に優れた出来を堪能できるだけでなく、そうした尾張徳川の家風をしみじみと感じることができます。
※はばきは銀地の金鍍金と表記しておりますが、素銅地の金鍍金の可能性もございます。