無銘(金房政次)- Mumei(Kanabo Masatsugu) - 6-059
通常価格:¥165,000
税込
金房一派は大和国にて栄えた手掻末葉の刀工群で、南都宝蔵院の僧兵に数多の刀剣を鍛え、兵衛尉政次や隼人丞正實らが著名。
十文字槍で有名な宝蔵院流槍術の始祖、覚禅房胤栄の槍も金房一派の刀工の手により鍛えられました。
現存する作品は、刀や槍、薙刀と言ったものが多く、短刀や小脇指の類は少なく、作風としては元先の幅差が少ない頑強なる造り込みが多く、利刀としても優れていたため、武将達からも厚い支持を得ていたようです。
この槍は平三角造りで螻蛄首が長く、笹穂形ではないものの、笹穂を連想させ、両鎬の造り込みで、地鉄は槍故に柾目が強く現れており、匂口明るい中直刃を焼き上げています。茎には半円形の目釘孔が残っていることから、元は茎がもっと長かったものと容易に推測されます。
槍や薙刀は刀よりも研磨代が高いため、なかなか再研磨を施されることが少ないですが、是非とも再研磨頂き、大切に後世に伝え残して頂きたいと強く切望致します。
螻蛄首の長さ9.69センチ。螻蛄首の幅15.4ミリ 茎の長さ36.5センチ