車透鐔 無銘(平安城象嵌)Mumei(Heianjo) 12-1255
通常価格:¥33,000
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平安城象嵌鐔は、室町時代の応仁鐔の技法を継承しており、鉄地の板鐔に真鍮を象嵌して文様を描き出すのが特徴です。応仁鐔が象嵌に真鍮のみを用いるに対して、平安城象嵌鐔は、時代が古い物は真鍮のみを用いていますが、後代に入ると金・銀・素銅・山銅なども併用した作品も見られ、より華やかで変化に富んだ表現へと発展しました。
本作は、中央に精緻な車透かしを施し、耳部には「南無妙法蓮華経」と幾何学模様を配した逸品です。象嵌の一部に抜けが見られるのは惜しまれますが、繊細な透かし彫りは華やかで、細やかな技巧の美しさを存分に感じさせます。歴史的趣と芸術性を兼ね備えた、鑑賞・コレクション双方に最適な一品です。